脂質異常症(高脂血症)って何?

健康診断で、「コレステロール値が高めだった」とか「中性脂肪が基準値を超えていた」という方は『脂質異常症』(高脂血症)かもしれません。ここでは、脂質異常症の原因や予防法をまとめました。

ブタさん

●知っておきたい脂肪の種類

私達の体内には『コレステロール』『リン脂質』『中性脂肪』『脂肪酸』の4種類の脂肪が存在します。
このうち、中性脂肪と脂肪酸は体がエネルギーとして使う脂肪で、残るコレステロールとリン脂質は細胞を構築するための成分として使われます。

 

この4種類のうち、体内の9割を占めるのが中性脂肪で、一般的に私達が「脂肪」と呼んでいるお腹の贅肉、皮下脂肪などは、ほとんどが中性脂肪です。

 

●脂質異常症とは?

通常、血液中の脂質は一定の量に保たれるよう調節されています。しかし、体の中で脂質がうまく処理されなくなったり、食事から摂る脂質が多過ぎたりして、血液中の脂質が異常に増えた状態、又は、善玉コレステロールが少ない状態を『脂質異常症』といいます。

 

脂質異常症は、ほとんど自覚症状がないため、最悪の場合は動脈硬化の進行によって、心筋梗塞や狭心症、脳卒中などの重篤な病気を引き起こす可能性もあります。

→ 脂質異常症(高脂血症)と、血液ドロドロの関係については、こちら

 

●脂質異常症の原因は?

脂質異常症の多くは、悪い生活習慣が重なることで起きます。運動不足に加えて、暴飲暴食、脂肪の多い食品を好む人、脂質や糖分の多い高カロリー食に偏りがちの人などは、脂質異常症になりやすいといえます。

 

また、タバコには中性脂肪を増やす作用や、善玉コレステロールを減らす作用がありますので、喫煙者は注意が必要です。
この他、脂質異常症を含む生活習慣病は、互いに影響し合い、複数の病気を合併しやすいので、高血圧や糖尿病などがあると、脂質異常症にもなりやすくなります。

 

なお、脂質異常症の中には、遺伝によるものや、肝臓病、糖尿病、甲状腺機能低下症などの病気が原因となって起こるものもあります。

 

●コレステロールの摂取基準が撤廃

厚生労働省は2015年、食事におけるコレステロール摂取量の上限値を撤廃しました。
これは、「食事からのコレステロール摂取量を減らすことで、血中コレステロール値が低下するという明確な証拠がない」ということが理由です。

 

そもそも、コレステロールは体内で合成できる脂質で、食事から摂取されるコレステロールは全体の20~30%にすぎません。そして重要なのは、コレステロールを食事から多く摂取すると、肝臓での合成量は減少し、逆に食事から摂取する量が少ないと肝臓での合成量が増加するという点です。つまり、食事によるコレステロール摂取量が血中総コレステロール値に直結しているわけではないのです。

 

しかし、コレステロールの摂取量が制限されなくなったからといって、脂質異常症という疾患がなくなったわけではありません。血液中の悪玉コレステロールや中性脂肪が多くなりすぎても、善玉コレステロールが少なすぎても脂質異常症なのです。

 

●脂質異常症を予防しよう!

脂質異常症の多くは、生活習慣を見直すことで予防・改善をすることができます。

① 適正体重を維持する
② 食生活を改善する
③ お酒は適量にとどめる
④ 喫煙者は直ちに禁煙する
⑤ ウォーキングなら約1時間、1万歩/日を目安に。1週間に3回以上の運動をする
⑥ ストレスを貯め過ぎない

上記の生活習慣の改善を一定期間続けても効果がみられなかった場合や、遺伝的にコレステロール値が高い家族性高コレステロール血症などの場合は、専門的な治療が必要になります。

 

食生活と生活習慣を見直すことで、コレステロールや中性脂肪はある程度コントロールできます。
定期的な健康診断で自分のコレステロールや中性脂肪の値を管理し、脂質異常症を予防しましょう。