えっ!血管って内側にカルシウムがくっついて石灰化するんですか?

血管石灰化って何?と思われた方も多いと思います。動脈硬化という言葉は、割りと良く聞くと思います。血管(動脈)が硬くなることですが、放っておくと詰まって血液がそれより先に行かなくなることです。血管の石灰化は動脈硬化の進んだ状態なので、余計に血管が詰まりやすい状態と言えます。

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血管の石灰化とは?

高血圧糖尿病などになると、血管に大きな負担がかかります。すると、血管の内皮細胞が傷つけられてしまい、内皮がバリヤの役割を果たすことができずに、血管の内膜に悪玉コレステロールの侵入を許してしまいます。

 

血管の内膜は悪玉コレステロールを取り込んで、その分だけ膨れて血管の内側にコブ(プラーク)を作ってしまうので、その部分は血管内が細くなってしまうのです。そして、硬くなっていくので、この状態が動脈硬化と言われています。

 

動脈硬化が進行していくと、このプラークと呼ばれるコブに血液に含まれるカルシウムがくっついて固まってしまうことがあるんです。この状態になったものが、血管の石灰化と言われるものです。カルシウムと言えば、歯や骨の原料ですので、血管内がいかに硬くなるかが想像できると思います。

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血管が石灰化すると、どうなる?

血管が石灰化してしまうと、さらにその部分は細くなって、非常に硬くなっているので弾力性もないので、簡単に血栓などが詰まるようになってしまいます。脳で血管が詰まってしまうと脳血栓、脳卒中になり、心臓で血管が詰まると狭心症、心筋梗塞になるので、いずれも命に関わる病気なのでとっても危険です。

 

現状では、まだ血管(動脈)の石灰化を取り除くための良い方法というのがありません。なので対策としては、血液をサラサラにして高血圧、糖尿病、脂質異常症といった動脈硬化の原因となる病気を改善すると共に、血栓ができにくい血液にしておくことが重要です。

 

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カルシウムパラドックスに注意!

ただし、カルシウムを摂ることで血管が石灰化すると思って、カルシウムを摂ることを控えると、血液中のカルシウムが不足したと認識して、副甲状腺ホルモンが骨からカルシウムを溶かし出して、不足するカルシウム分を補うように働きます。

 

この仕組みは、一時的にカルシウムが不足しても血液中のカルシウム濃度を一定に保つためにある訳ですが、慢性的なカルシウム不足になると、副甲状腺ホルモンが常に分泌され続ける状態になってしまいます。そうなってしまうと、骨から必要以上に過剰なカルシウムが溶かしだされ、余分になったカルシウムが体内の色々な場所に蓄積されてしまう現象が起こってしまいます。この現象を『カルシウムパラドックス』と呼びます。

 

カルシウムパラドックスにより、余ったカルシウムは血管内で石灰化したり、尿路でシュウ酸やリン酸などと結びついて尿路結石になりやすくなります。そして、骨からたくさんのカルシウムが流れ出ると、骨粗しょう症を引き起こす可能性も高くなります。なので、カルシウムは必要量をきちんと摂取する必要があることを注意しなければなりません。

ドロドロ血

血管の石灰化の予防・対策

血管の石灰化の原因となる高血圧や糖尿病などを防止するためにも、血管が石灰化してしまった対策として血管が詰まらないように、血栓を作りにくくするためにも、血液サラサラでキレイな状態にしておくことが重要です。そのためには適度な運動や、食生活に注意する必要があります。

 

血液ドロドロな状態を放置していたから、血管の石灰化になる可能性が高まったとも言えるのです。血液ドロドロがどんなに危険なことかを良く理解しておく必要があると思います。

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