秋も深まって、そろそろコタツを出そうかなと考える季節となりました。気温が低くなって空気の乾燥が気になるこの時期は、1年で最も病気になりやすい季節です。
今回はその中から、うつ病、肩こり、便秘、食中毒についてご紹介します。
秋に発病しやすい病気
秋は、夏の暑さと冬の寒さの入り混じった季節であり,気候は比較的激しく変動します。1日の寒暖差は大きく、日照時間も短くなるなどで、人はそのリズムを崩しやすくなり、自律神経の乱れに繋がってしまいます。また、秋特有の空気の乾燥も,様々な病気を引き起こす要因となります。
●季節性うつ病
【原因・特徴】
気温の低下と日照時間の減少が発症の原因と考えられています。秋になって気温が低くなると、体が冷えやすくなります。すると、体温を維持するために体力が奪われ、疲れやすくなってしまうのです。
また、日照時間が短くなって自律神経が乱れると、精神を安定させる『セロトニン』という脳内ホルモンの分泌が減少します。その結果、うつ病を発症しやすくなります。
一般的なうつ症状と同じで、倦怠感や無気力などの症状が中心ですが、やたらと眠くなって睡眠時間が長くなったり、特に炭水化物や甘いものが欲しくなるなど、食欲が旺盛になるのが特徴です。
【予防法】
セロトニンの分泌量を増やす薬を処方してもらったり、意識して外出してできるだけ日の光を浴びるよう
にしましょう。
●肩こり
【原因・特徴】
秋は、1日の寒暖差に加えて、部屋の中と外との気温差など、体温調節の必要が多くなります。これが一種のストレスとなって筋肉を硬直させ、固くなった筋肉が血管を圧迫することで血液の流れを悪くします。
普段から重い頭を支えている肩の筋肉には疲労物質が溜まっているので、血流が悪い状態ではそれを十分に排泄することができず、どんどん蓄積してしまいます。
また、硬くなった筋肉は、肩にある末梢神経も圧迫します。「痛い」とか「しびれる」といった刺激を伝える末梢神経が傷つくことで、痛みやしびれを感じてしまうのです。
【予防法】
まずは、肩や体全体を冷やさないように注意しましょう。また、肩の緊張をほぐし、血流をよくするために、ストレッチやマッサージをすることも大切です。
●便秘
【原因・特徴】
腸の働きを管理する自律神経が乱れることで、ぜん動運動は低下します。また、空気の乾燥によって腸内の水分が不足し、便は硬くなりがちです。秋は気温が低下して血行が悪くなっていることもあり、胃腸の働きは弱く、老廃物は腸内に長く留まりやすくなります。
このように胃腸が働きにくい環境の中で「食欲の秋」を堪能して食べ過ぎてしまうと、胃腸には大きな負担がかかり便秘になりやすくなります。
【予防法】
普段から温かい飲み物を摂るようにして、血行を良くしながら、腸内に水分を補給しましょう。お風呂にゆっくり入る、温かい服装をする、ストレッチなどの軽い運動をするのも冷え対策として有効です。
また、秋においしくなる食べ物には便秘解消に効果がある食べ物がたくさんあります。栗、きのこ、さつま芋、かぼちゃ、ゴボウなどはどれも食物繊維やビタミンが豊富で、しかもたいへん美味しい食べ物です。
●食中毒
【原因・特徴】
以前は、食中毒は夏に多いという傾向でした。しかし、食品の衛生管理が向上したことで、夏の食中毒の大半を占めていた腸炎ビブリオやサルモネラ属菌による食中毒が減り、秋の食中毒が多くなってきました。
★行楽シーズン
秋は行楽シーズンで、衛生管理が不十分な野外での食事が増えます。また、弁当などを利用することも増えますが、夏ほど食中毒に対する危機感がなく、油断から食中毒が生まれることもあります。
★秋の味覚による食中毒
秋の食中毒は、雑菌によるものより、毒キノコやフグ、カキなどの二枚貝による食中毒が多くあります。怪しいものは食べないことが最大の予防となります。
【予防法】
外で食事をする際は、お弁当や食材の腐敗防止策を忘れずに行いましょう。また、手指の消毒ができる抗菌ティッシュなども持参しましょう。
ここで紹介した病気は、結局すべて、夏の疲れと秋の冷え、そして空気の乾燥が主な原因です。それぞれの予防法を実践することがもちろん大切ですが、同時に、疲労した体を癒して温め、免疫力を高めておくことが、秋を元気に乗り切るための秘訣です。
免疫力を強化し、疲労回復、冷え性の改善にも効果を持つ『黒にんにく』や『黒酢』を食材として摂り入れることは、秋の病気にかかりにくい体を作ることに有効です。
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