何日も排便がなかったり、たとえ排便があっても量が少なかったり・・・。便秘は、すっきりしないことによる不快感だけでなく、肌荒れやむくみの原因であり、ダイエットの天敵とも言われています。
この便秘を解消するのに効果があるとされるのが『黒酢』です。
便秘は女性に多い
女性が体調を崩す要因としてよく挙げられる『便秘』。これは、女性は男性に比べて腹筋が弱いこと、生理前に分泌される女性ホルモンに腸の働きを弱める作用があること、無理な食事制限を伴うダイエットによって食物繊維が不足がちになることなどが理由として考えられます。
しかし、ダイエット以外の理由については、努力をすれば解消できるというものでもありません。
アミノ酸で新陳代謝を促す
人間が生きていくために必要なアミノ酸20種類の内、11種類は体内で生成することができますが、残りの9種類については体内で生成できない為、食事などから摂取するしかありません。この体内で生成できないアミノ酸を『必須アミノ酸』と言い、黒酢にはそのほとんどがバランスよく含まれています。
このアミノ酸には、過酸化脂質を抑える働きがあります。これによって悪玉菌の発生が抑えられて新陳代謝が促されるため、腸の動きが活性化して便通もスムーズになります。
クエン酸の働きで腸を活発に
黒酢にはクエン酸も豊富に含まれています。このクエン酸は、腸の中に入ると炭酸ガスを発生させるので、刺激を受けた腸はぜん動運動を活性化し、溜まっている便を外に出そうとします。
また、クエン酸には悪玉菌を殺菌する働きがあるため、腸内環境が整い、便秘解消はもちろん便秘を予防する効果もあるとされています。
更に、クエン酸には慢性的な下痢を改善する効果が期待できます。クエン酸を摂ると胃酸の分泌を高めることができるため、食べたものを消化する力が高まります。慢性的な下痢になっている人は、胃酸の分泌がうまく出来ていないということが原因として考えられるので、クエン酸がその悩みを解決してくれます。
善玉菌を増やす
ビタミンCには、腸の中の善玉菌を増やす働きがあるため、便を効率的に押し出すことができる健康な腸を作るサポートをします。しかし、このビタミンCは熱に弱く、加熱するとすぐに失われてしまいます。
そこで、ビタミンCと一緒にお酢を摂るようにしましょう。お酢にはビタミンCの吸収を助けてくれる働きがあるので、一緒に摂ることでより効果的に腸内環境を改善することができます。
黒酢を飲むと便秘になる?
このように、便秘解消効果が大きい黒酢ですが「黒酢を飲んだら便秘になった」という声もあります。これは、腸内環境がもともと整っている人がクエン酸を摂ることで、交感神経を緊張させてしまいます。すると、排泄を促す働きがある副交感神経が抑制され、腸のぜん動運動が鈍くなることで起こります。
しかし、これは黒酢を摂り過ぎてしまったために引き起こされたことであり、毎日適切な量を摂取していれば問題はありません。
黒酢を飲むと下痢になる?
逆に「黒酢を飲むと便がゆるくなる」という方もいらっしゃいます。これは、黒酢を過度に摂取したため、腸のぜん動運動が活発になり過ぎて下痢になってしまったと考えられます。また、お腹を壊している時など体調によっては、クエン酸による影響で下痢をしてしまう場合もあります。
黒酢で便秘を解消する際の注意点
便秘解消を目的に黒酢を摂る場合、黒酢だけで便秘を解消できると思ってはいけません。
基本は「規則正しい生活習慣」です。睡眠・運動・食事の3つに注意しながら、規則正しい生活を送るようにしましょう。特に、ジョギングやウォーキングなどの有酸素運動は、黒酢の力を高めてくれる効果が期待できますので、運動の前後に黒酢を摂取するようにして下さい。
また、たくさん摂れば摂るほど効果が大きいと勘違いしがちですが、過剰な摂取は逆効果になります。
お酢は刺激が強いので、摂り過ぎると胃腸に負担がかかり、活動が弱まると同時に、老廃物や毒素も排出できにくくなります。効率的に摂るためにも、正しい量を守ることが大切です。
黒酢が便秘に良いことはわかったけど・・・
便秘が何日も続くと、その不快感から、市販の便秘薬で排便を促している人もいます。しかし、これらの薬は常習化してしまう危険性があり、薬を飲まなければ便が出なくなってしまうこともあります。一時的に頼ることは致し方がない場合もありますが、できるだけ薬には頼らず、黒酢などの健康食品を毎日摂取することで自然な排便を促すのが理想的と言えます。
ただ、人によっては黒酢の味が苦手という方もいらっしゃるでしょうし、料理で「健康のために毎日摂取」というのも中々難しいかと思います。手軽に黒酢の成分を取り入れることができるサプリメントも併用してみてはいかがでしょうか。