寒い朝が続く季節は、あったかい布団から出られなくて、ついつい寝過ぎちゃったという方も多いかと思います。しかし、寝過ぎは身体に良くないということをご存知でしょうか?
睡眠時間と死亡率の関係
病気はもちろん、美容やストレス解消のためにも、充分な睡眠をとることは必要です。しかし、睡眠不足と同じように、寝過ぎても身体には悪い影響を与えてしまいます。
1980年代、アメリカで100万人以上を対象に行われた「睡眠時間と死亡率の関係」の調査によると、1日に6.5~7.5時間の睡眠をとっている人の死亡率は最も低く、それ以上又はそれ以下の人の死亡率は高くなる傾向にありました。特に睡眠時間が長い人の方が問題で、1日7.5時間以上の睡眠をとっている人の死亡率は、6.5~7.5時間睡眠の人よりも20%も高かったのです。
また、別の調査によると、心筋梗塞や脳卒中、糖尿病に限って言えば、睡眠時間が短い人より更に高いリスクが、過剰睡眠の人にはあるとされています。
寝過ぎると生活習慣病になる?
最近の調査で、睡眠時間が6時間未満又は8時間以上の人は、ヘモグロビンA1cの値が高いという結果が出ました。このヘモグロビンA1cとは、糖尿病の診断に使われる血液の数値で、6.5以上あれば糖尿病であるとされています。この結果から、睡眠不足や過剰睡眠の人は、糖尿病になるリスクが高いということになります。
更に、8時間以上の睡眠は、中性脂肪を増やし、善玉コレステロールを減らしてしまうということも分かっています。これらの報告は、過剰な睡眠をとると、動脈硬化につながる脂質異常症、高血糖、肥満などの生活習慣病になりやすいということを示しています。
その他のデメリット
【体内時計の乱れ】
人間は、基本的に夜暗くなると寝て、朝太陽が昇ると起きるというリズムで、体内時計がセットされています。しかし、寝過ぎることによって体内時計が狂うと、抗酸化作用のあるメラトニンの分泌が乱れます。すると、活性酸素を除去する働きがおろそかになり、身体に様々な悪影響を及ぼします。
【体調不良の原因】
寝過ぎると、脳の血管が広がり過ぎて周りの神経を刺激し、頭痛を引き起こすことがあります。また、長時間水分を摂らないので、それによる脱水症状も起こしやすくなります。
更には、必要なだけの睡眠をとった後は、眠りの浅い状態となります。この状態では脳は休息できていないために疲れが残り、結果、集中力が散漫になったり、だるさを感じたりすることがあります。
【自律神経が不安定になる】
眠りが浅いと、自律神経が不安定になりがちです。自律神経はホルモンの分泌にも深く関わっているので、生理不順など、女性の身体に悪影響を及ぼします。
【血流が悪くなる】
長時間一定の姿勢で寝ていると、血行不良を引き起こします。血行不良は、冷え性や肩こりなどの原因にもなります。
【脳の老化が早まる】
寝過ぎる人は、アルツハイマーにかかる危険が増加するという報告があります。睡眠をとり過ぎると、起きている時間が少なくなるので、脳の活動時間も減少します。それによって、脳が衰えやすくなり、老化が早まる原因となってしまうのです。
理想的な睡眠の取り方とは?
理想的な睡眠時間は、7時間程度と言われています。睡眠時間には個人差がありますが、理想は午後10時~12時までには眠りに就き、午前2時までの『睡眠のゴールデンタイム』にはぐっすり眠っていたいものです。このゴールデンタイムに熟睡できると、成長ホルモンが正常に分泌され、老化防止にも繋がります。また、その時間に質のいい睡眠を取ることができれば、脳の疲労回復においても大きな差が出てきます。
しかし、日中どうしても眠気が我慢できないこともあります。そんな時には、積極的に仮眠をとりましょう。午前中から午後3時までの間の仮眠は、睡眠不足の解消に役立ちます。イスに座った状態で、10~30分眠ると、眠気が減って覚醒度が高まります。
【眠る前にすること】
まず、眠りやすい環境を整えましょう。室温は冬なら15~20℃、湿度は50~60%が最適です。部屋はなるべく暗くしますが、不安な人は豆電球をつけましょう。
布団に入ったら、翌朝起きる時間を強く意識します。これは『自己覚醒法』といい、深層心理に働きかけることで、予定時刻に目覚めやすくなります。
【起きてからすること】
朝は日の光を浴びて、しっかり目覚めるようにしましょう。毎日同じ時刻に起床することで、体内時計のリズムを壊さないようにすることが大切です。
また、長く眠った後は身体が軽い脱水症状にあるため、起きるのがより辛い場合があります。水をコップ一杯飲むことで、身体が楽になります。
寝過ぎている人や寝だめをする人は
寝過ぎていると思われる方、休みの日にはどうしても寝だめをしてしまうという方などは、血液ドロドロにしてしまっている可能性があります。
血液ドロドロになると動脈硬化につながる脂質異常症、高血糖、肥満などの生活習慣病になりやすくなるので、まずは今、自分がどうなのかを知るために、血液検査をするか、会社の健康診断の血液検査の結果を確認してみてください。
→ 血液検査で血液サラサラかドロドロかの判断にの仕方は、こちらを参照ください。
血液検査の結果が血液ドロドロに近い状態であるなら、次は、血管年齢を検査して、自分の血液ドロドロの程度を知り、動脈硬化を予防しましょう。
→ 血管年齢検査って?料金は、場所は?の詳細は、こちらを参照ください。
とにかく血液サラサラになるように対策したいとお考えの方は、食べる物によって血液サラサラに改善することが可能です。
血液サラサラにする食べ物(食材)と言えば、黒酢・にんにく・たまねぎ・青魚・納豆・しじみなど色々ありますが、毎日食べるのには、ニオイや味、調理の面倒臭さで続けることが難しいという方も多いと思います。
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毎日の睡眠時間として理想的な7時間を守れば、病気のリスクは減少し、既に抱えている健康問題も症状が緩和されるケースも多いそうです。健康的な生活とは、食事や運動に限られたことではなく、どれだけ良質な睡眠をとれているかも同じくらい大切です。